1つのお墓に遺骨が何体も入っているとき|申請と取り出しの段取り

掲載データの確認日 2026/09/17

47都道府県を同じ条件でそろえています

代々のお墓には、家族が把握していない人数の遺骨が納められていることがあります。人数が分からないまま進めると、申請も工事もやり直しになります。先に確かめる順番をまとめました。

なぜ人数が問題になるのか

改葬許可申請書には、死亡者ごとに本籍・氏名・死亡年月日などを書きます(施行規則第2条)。遺骨1体ごとに許可が要るので、人数が分からないと申請できません。1人1枚の様式か、連記できるかは自治体で違います。

人数を調べる方法

調べ先 分かること 限界
墓誌・墓石の側面 刻まれた人の氏名・没年 刻んでいない人がいることがある
寺の過去帳 戒名・没年 納骨したかまでは分からないことがある
墓地の管理者の記録 埋蔵の記録 古い時代の記録が無い場合がある
石材店がカロートを開けて見る 骨壺の数 土に還っていると数えられない

古いお墓で起きること

  • 骨壺が無く、土に還っている:昔のお墓では、遺骨をカロートの土に直接納めていることがあります。この場合、土ごと少しずつ取り出して改葬する扱いになることがあります。
  • 名前の分からない骨壺がある:氏名が分からない遺骨の申請は、自治体によって扱いが違います。窓口に相談してください。
  • 土葬の遺体が眠っている:土葬の時代のお墓では、掘り起こしを伴います。石材店に土葬の可能性を伝えてください。

進め方

  1. 墓誌・過去帳・管理者の記録で、分かる人数を数える
  2. 石材店に現地を見てもらい、カロートの中を確かめられるか相談する
  3. 市区町村の窓口に、人数と分からない部分を伝えて申請方法を聞く
  4. 移す先にも人数を伝え、受入証明書に反映してもらう
  5. 申請書を人数分(または連記で)作る

移す先の費用は人数で変わることがある

永代供養墓や納骨堂は、1体ごとの料金になっていることがあります。人数が増えると移す先の費用も増えます。骨壺が多い場合、粉骨してまとめる方法を案内されることもあります。まとめる前に、改葬許可と移す先での扱いを確かめてください。

人数の確認表

項目 記入
墓誌に刻まれている人数 人
過去帳で分かる人数 人
管理者の記録の人数 人
カロートで確かめた骨壺の数 個
名前が分からない遺骨 あり・なし
土に還っている遺骨 あり・なし

人数がそろわないときは、多いほうに合わせて準備を進め、窓口と管理者に相談するのが安全です。

一部だけ移すとき

全員ではなく、両親の遺骨だけを自宅近くへ移し、先祖の遺骨は合祀墓へ、という分け方もできます。その場合は移す先ごとに受入証明書と改葬許可が要ります。移す先が2か所になると、申請書も2組になります。

改葬には役所の許可が要る

お墓を別の場所へ移すことを改葬といいます。墓地、埋葬等に関する法律(墓埋法)で、改葬には市区町村長の許可が必要と決められています。勝手に遺骨を取り出して移すことはできません。

そろえる書類

書類 出してもらう先 中身
改葬許可申請書 今のお墓がある市区町村 死亡者の氏名・本籍・埋葬の年月日など
埋蔵証明書 今のお墓の管理者(寺・霊園) そこに遺骨が納められている証明
受入証明書 移す先の墓地・納骨堂 そこで受け入れる証明
申請者の本人確認書類 — 運転免許証など

進む順番

  1. 移す先を決めて、受入証明書をもらう
  2. 今のお墓の管理者に伝え、埋蔵証明書をもらう
  3. 市区町村に改葬許可申請書を出し、改葬許可証をもらう
  4. 閉眼供養をして遺骨を取り出す
  5. 石材店に墓石を撤去してもらい、区画を更地にして返す
  6. 改葬許可証を添えて、移す先に納骨する

先に決めておくこと

移す先が決まっていないと、改葬許可は下りません。受入証明書が出せないためです。「まず墓石を片づけてから考える」という順番は取れません。

費用は3つに分かれる

墓じまいで出ていくお金は、大きく3つです。当サイトは各社の金額を持っていないので、相場は出していません。見積もりで確かめてください。

何に だれに払うか 確かめること
墓石の撤去と区画の整地 石材店 重機が入るか、手作業か。区画の広さ。処分費が別か
閉眼供養のお布施 寺・僧侶 包む額の目安を寺に直接たずねる
移す先の費用 霊園・納骨堂・寺 永代供養料、納骨料、年間管理費の有無

見積もりで分かれ目になるところ

  • 重機が入るか…山の上や階段の先にある区画は手作業になり、人手のぶん変わります
  • 処分費が含まれているか…墓石の運び出しと処分が別途になっていることがあります
  • 整地の程度…更地にして返すのか、土を入れるところまでか
  • お布施が含まれているか…石材店の見積もりに寺へのお布施は通常入りません

2〜3社から取る

同じ区画でも、見積もりの前提が違えば金額は変わります。同じ条件を伝えて2〜3社から取ってください。1社だけだと、その金額が高いか安いか判断できません。

どこまで自分でやり、どこから頼むか

やること 自分でできる 頼む先
移す先を決める ◯ 霊園・納骨堂・寺に問い合わせ
受入証明書をもらう ◯ 移す先
埋蔵証明書をもらう ◯ 今の墓地の管理者
改葬許可を申請する ◯ 市区町村の窓口
閉眼供養 × 寺・僧侶
遺骨の取り出し △ 石材店が行うことが多い
墓石の撤去と整地 × 石材店
納骨 ◯ 移す先

書類は自分で動いたほうが早い

役所の申請は本人でもできます。代行を頼むと費用が乗ります。平日に窓口へ行けるなら、自分で出すほうが早く安く済みます。

石材店に頼む範囲を決めておく

「墓じまい一式」で頼むと、寺への連絡や役所の申請まで含む代行になっていることがあります。どこからどこまでを頼むのかを、見積もりの前にはっきりさせてください。

順番を飛ばさない

いちばん多い行き違いは、移す先を決める前に墓石の話を進めてしまうことです。受入証明書が無いと改葬許可が下りないため、工事だけ先に進めても納骨できません。

墓地には3つの種類がある

どこにお墓があるかで、話を通す相手も手続きも変わります。

種類 管理しているところ 墓じまいのときの相手
寺院墓地 寺 住職。檀家をやめる話(離檀)もここ
公営霊園 市区町村など 役所の担当窓口。返還の届け出が要る
民営霊園 宗教法人・公益法人など 霊園の管理事務所

寺院墓地のとき

檀家という関係があるため、墓石の撤去より先に住職へ相談するのが順番です。埋蔵証明書を出してもらう相手でもあります。

公営・民営霊園のとき

使用規則に「返還するときは更地にして返す」と書かれていることが多く、原状回復の範囲が規則で決まっています。見積もりを取る前に規則を確かめてください。

遺骨を移す先の選び方

移す先 特徴 確かめること
永代供養墓 寺や霊園が代わりに供養し続ける。合祀が多い 合祀までの期間。あとから取り出せるか
樹木葬 樹木や芝を墓標にする。区画が小さい 個別か合祀か。管理費の有無
納骨堂 屋内。天候に左右されず参りやすい 契約期間。期間後の扱い
手元供養 自宅に置く。費用がかからない 将来だれが引き継ぐか
散骨 海や山にまく 受入証明書が出ないため、改葬の扱いを事前に確認

先に決めておくこと

合祀すると、あとから取り出せません。「いずれ別の場所に」と考えているなら、個別に安置できるところを選んでください。

だれが引き継ぐか

年間管理費がかかる形は、払う人がいなくなると同じ問題が起きます。手をかけずに済む形を選ぶのか、参りやすさを取るのかで変わります。

お墓のある都道府県から石材店を探す

墓じまいの工事は、お墓のある地域の石材店に頼むと現地確認と管理者とのやり取りが早く済みます。全優石・日本石材産業協会に加盟する1,109店を、都道府県ごとに並べています。

北海道

都道府県 掲載店 全優石 石材産業協会 多い市区町村
北海道 38店 6店 32店 札幌市9店・岩見沢市3店

東北

都道府県 掲載店 全優石 石材産業協会 多い市区町村
青森県 10店 3店 7店 弘前市2店・八戸市2店
岩手県 21店 7店 14店 盛岡市5店・花巻市3店
宮城県 17店 5店 12店 仙台市6店・岩沼市1店
秋田県 7店 1店 6店 大仙市3店・秋田市2店
山形県 8店 0店 8店 山形市4店・天童市2店
福島県 28店 4店 24店 喜多方市4店・伊達市4店

関東

都道府県 掲載店 全優石 石材産業協会 多い市区町村
茨城県 55店 1店 54店 桜川市37店・笠間市5店
栃木県 18店 2店 16店 宇都宮市7店・小山市2店
群馬県 17店 8店 9店 高崎市3店・前橋市2店
埼玉県 53店 6店 47店 さいたま市5店・川口市5店
千葉県 54店 12店 42店 松戸市13店・船橋市6店
東京都 109店 18店 91店 豊島区11店・府中市9店
神奈川県 32店 5店 27店 横浜市10店・川崎市5店

中部

都道府県 掲載店 全優石 石材産業協会 多い市区町村
新潟県 19店 1店 18店 新潟市6店・十日町市2店
富山県 13店 2店 11店 富山市5店・高岡市4店
石川県 15店 6店 9店 金沢市4店・小松市4店
福井県 9店 0店 9店 鯖江市2店・越前市2店
山梨県 12店 0店 12店 笛吹市4店・甲府市2店
長野県 18店 5店 13店 長野市6店・松本市2店
岐阜県 14店 2店 12店 大垣市4店・多治見市2店
静岡県 63店 10店 53店 静岡市16店・沼津市4店
愛知県 39店 2店 37店 岡崎市15店・名古屋市6店

近畿

都道府県 掲載店 全優石 石材産業協会 多い市区町村
三重県 17店 6店 11店 伊賀市4店・四日市2店
滋賀県 28店 2店 26店 東近江市5店・大津市5店
京都府 19店 1店 18店 京都市14店・福知山市1店
大阪府 48店 3店 45店 大阪市12店・堺市9店
兵庫県 29店 2店 27店 姫路市4店・洲本市3店
奈良県 22店 1店 21店 奈良市4店・橿原市3店
和歌山県 8店 0店 8店 和歌山市4店・橋本市1店

中国

都道府県 掲載店 全優石 石材産業協会 多い市区町村
鳥取県 16店 2店 14店 鳥取市6店・米子市2店
島根県 14店 1店 13店 安来市4店・松江市4店
岡山県 26店 4店 22店 倉敷市7店・笠岡市6店
広島県 23店 2店 21店 福山市8店・広島市3店
山口県 5店 0店 5店 山口市2店・下関市1店

四国

都道府県 掲載店 全優石 石材産業協会 多い市区町村
徳島県 17店 0店 17店 徳島市5店・美馬市2店
香川県 49店 2店 47店 高松市41店・三豊市3店
愛媛県 29店 1店 28店 松山市10店・今治市10店
高知県 10店 0店 10店 高岡郡佐川町2店・香美市2店

九州・沖縄

都道府県 掲載店 全優石 石材産業協会 多い市区町村
福岡県 13店 3店 10店 福岡市4店・久留米市2店
佐賀県 7店 1店 6店 佐賀市3店・唐津市2店
長崎県 20店 6店 14店 佐世保市3店・島原市3店
熊本県 11店 1店 10店 熊本市6店・天草市1店
大分県 4店 2店 2店 大分市3店・由布市1店
宮崎県 10店 1店 9店 日南市3店・延岡市2店
鹿児島県 11店 1店 10店 鹿児島市8店・薩摩川内市2店
沖縄県 4店 1店 3店 うるま市1店・中頭郡西原町1店

この記事に出てくることば

  • 改葬:遺骨を別の場所へ移すこと。市区町村長の許可が要る。
  • 改葬許可証:市区町村が出す書類。納骨するときに移す先へ渡す。
  • 埋蔵証明書:いまの墓地の管理者が出す、遺骨がそこにある証明。
  • 受入証明書:移す先が出す、受け入れる証明。
  • 閉眼供養:墓石から魂を抜くとされる法要。魂抜き・お性根抜きとも。
  • 離檀:檀家をやめること。離檀料は法律上の費用ではない。
  • 祭祀承継者:お墓や仏壇を引き継ぐ人。民法で決まり方が定められている。
  • 無縁墳墓:縁故者が分からなくなったお墓。官報公告と1年の期間を経て改葬される。

あわせて読む

次にやること

  1. お墓の名義人と、だれが決めるのかをはっきりさせる
  2. 遺骨を移す先を決めて、受入証明書をもらう
  3. 寺・霊園に伝え、埋蔵証明書をもらう
  4. 石材店を2〜3社えらび、同じ条件で見積もりを取る
  5. 市区町村に改葬許可を申請する

都道府県から石材店を探す

この記事のデータについて

掲載している石材店の数は、全優石(全国優良石材店の会)と日本石材産業協会が公開している一覧を数えたものです。費用の相場や店の評価は持っていないため、掲載していません。手続きの内容は墓地、埋葬等に関する法律および特定商取引法にもとづいています。実際の申請先や必要書類は市区町村で異なることがあるため、窓口でご確認ください。