お墓はだれが継ぐのか|祭祀承継者の決まり方と墓じまいを決める人

掲載データの確認日 2026/09/17

47都道府県を同じ条件でそろえています

お墓や仏壇は、ふつうの遺産とは別のルールで引き継がれます。民法では祭祀承継者という1人が引き継ぐと決められています。墓じまいを決めるのはだれか、兄弟で意見が分かれたときはどうなるかを整理しました。

民法の決まり

民法第897条は、系譜(家系図など)、祭具(仏壇・位牌など)、墳墓(お墓)の所有権は、ふつうの相続とは別に、祖先の祭祀を主宰すべき者が承継すると定めています。決まり方には順番があります。

順 決まり方
1 亡くなった人(被相続人)の指定があればその人
2 指定がなければ、慣習に従って決まる
3 慣習が明らかでなければ、家庭裁判所が定める

指定は遺言でも口頭でもかまわないとされていますが、あとで争いにならないよう書面に残すのが安全です。

遺産分割とは別

お墓や仏壇は、預貯金や不動産のように相続人で分けるものではありません。祭祀承継者が1人で引き継ぎます。相続を放棄した人でも、祭祀承継者になることはできるとされています。

墓じまいを決めるのはだれか

お墓の所有権を持つのは祭祀承継者です。墓地の使用者(名義人)も、ふつうは祭祀承継者がなります。改葬許可の申請では、墓地使用者でない人が申請するときは墓地使用者の承諾書を付ける決まりです(墓地、埋葬等に関する法律施行規則第2条第2項第2号)。

場面 だれが動くか
墓地の名義を引き継ぐ 祭祀承継者が墓地の管理者に届け出る
墓じまいを決める 祭祀承継者(実際には家族・親族と相談)
改葬許可を申請する 申請者。名義人でなければ名義人の承諾書
寺と話す 名義人・祭祀承継者

名義が亡くなった親のままのとき

墓地の名義が亡くなった人のままだと、管理者が墓じまいの手続きに応じないことがあります。先に名義の変更(承継の届け出)を済ませるよう求められることがあります。必要な書類は墓地によって違いますが、戸籍謄本、承継者の住民票、承継を示す書類(遺言・親族の同意書など)を求められることが多くあります。

兄弟で意見が分かれたとき

法律上は祭祀承継者が決められますが、親族の同意なしに進めると、あとで関係が壊れます。次の順で話を進めるとまとまりやすくなります。

  1. 墓じまいをしたい理由を、数字や事実で伝える(通える回数、管理料、継ぐ人の有無)
  2. 遺骨の移す先の候補を2〜3示す
  3. 費用の分担案を出す
  4. お参りしたい人が通える場所かを確かめる
  5. 合意した内容を簡単な書面に残す

確認表

確かめること 済
祭祀承継者がだれか(指定・慣習)がはっきりしている □
墓地の名義人がだれか確かめた □
名義変更が要るか管理者に聞いた □
兄弟・親族に墓じまいの方針を伝えた □
費用の分担を決めた □
合意を書面に残した □

よくある質問

長男が継ぐと決まっているのですか

法律は長男と決めていません。指定・慣習・家庭裁判所の順で決まります。

祭祀承継者になりたくない場合は

指定された人が辞退できるかについては、法律に直接の定めがありません。親族で話し合い、ほかの人に引き継いでもらう方法を考えます。

女性や、姓の違う人でも継げますか

民法の定めに性別や姓の条件はありません。墓地の規則で承継者の範囲を決めている場合があるので、管理者に確かめてください。

親族との間でもめやすいところ

だれが決めるのか

お墓の権利は祭祀承継者が持ちます。民法では、慣習や被相続人の指定によって決まるとされています。名義人が決まっていないまま進めると、あとから異議が出ます。

先に伝えておく

  • なぜ墓じまいをするのか(参る人がいない、遠い、など)
  • 遺骨をどこへ移すのか
  • 費用をだれがどう負担するのか
  • いつ作業するのか

作業が終わってからでは戻せません。親族が少人数でも、事前に伝えておくほうが結果的に早く進みます。

改葬には役所の許可が要る

お墓を別の場所へ移すことを改葬といいます。墓地、埋葬等に関する法律(墓埋法)で、改葬には市区町村長の許可が必要と決められています。勝手に遺骨を取り出して移すことはできません。

そろえる書類

書類 出してもらう先 中身
改葬許可申請書 今のお墓がある市区町村 死亡者の氏名・本籍・埋葬の年月日など
埋蔵証明書 今のお墓の管理者(寺・霊園) そこに遺骨が納められている証明
受入証明書 移す先の墓地・納骨堂 そこで受け入れる証明
申請者の本人確認書類 — 運転免許証など

進む順番

  1. 移す先を決めて、受入証明書をもらう
  2. 今のお墓の管理者に伝え、埋蔵証明書をもらう
  3. 市区町村に改葬許可申請書を出し、改葬許可証をもらう
  4. 閉眼供養をして遺骨を取り出す
  5. 石材店に墓石を撤去してもらい、区画を更地にして返す
  6. 改葬許可証を添えて、移す先に納骨する

先に決めておくこと

移す先が決まっていないと、改葬許可は下りません。受入証明書が出せないためです。「まず墓石を片づけてから考える」という順番は取れません。

費用は3つに分かれる

墓じまいで出ていくお金は、大きく3つです。当サイトは各社の金額を持っていないので、相場は出していません。見積もりで確かめてください。

何に だれに払うか 確かめること
墓石の撤去と区画の整地 石材店 重機が入るか、手作業か。区画の広さ。処分費が別か
閉眼供養のお布施 寺・僧侶 包む額の目安を寺に直接たずねる
移す先の費用 霊園・納骨堂・寺 永代供養料、納骨料、年間管理費の有無

見積もりで分かれ目になるところ

  • 重機が入るか…山の上や階段の先にある区画は手作業になり、人手のぶん変わります
  • 処分費が含まれているか…墓石の運び出しと処分が別途になっていることがあります
  • 整地の程度…更地にして返すのか、土を入れるところまでか
  • お布施が含まれているか…石材店の見積もりに寺へのお布施は通常入りません

2〜3社から取る

同じ区画でも、見積もりの前提が違えば金額は変わります。同じ条件を伝えて2〜3社から取ってください。1社だけだと、その金額が高いか安いか判断できません。

気をつけたい5つのやり方

国民生活センターには、墓じまいをめぐる相談が寄せられています。次の5つは、契約の前に気づけるものです。

1. 見積書を出さない・内訳が一式だけ

「墓じまい一式◯◯円」としか書かれていない見積もりは、あとから追加になりやすいところです。撤去・運搬・処分・整地を分けて書いてもらってください。

2. その場で契約をせまる

「今日決めれば安くする」と急かすやり方です。業者が自宅を訪ねて契約した場合は訪問販売にあたり、特定商取引法で契約書面を受け取った日から8日間のクーリング・オフができます。

3. 作業を始めてから追加を求める

墓石を動かしたあとで「思ったより根が深かった」と追加を求める形です。追加が出る場合の条件と上限を、契約前に書面で確かめてください。

4. 離檀料を業者が代わりに交渉すると言う

寺との話し合いは、本来その寺と檀家の間のことです。業者が間に入って高額な手数料を取る例があります。

5. 遺骨の行き先をはっきり言わない

取り出した遺骨をどこへ納めるかが決まっていないと、そもそも改葬許可が下りません。「こちらで預かる」とだけ言う業者には、預かる施設の名前と許可の有無をたずねてください。

困ったときの相談先

消費者ホットライン188に電話すると、近くの消費生活センターにつながります。契約書面とやり取りの記録を手元に置いてから相談してください。

石材店を選ぶときに見るところ

当サイトは全優石(全国優良石材店の会)と日本石材産業協会の一覧から1,109店を、47都道府県ごとに並べています。掲載数は選べる幅の話で、店の質を表すものではありません。

見積もりで確かめる項目

  • 撤去・運搬・処分・整地が分けて書かれているか
  • 重機が入るかどうかを、現地を見て判断しているか
  • 追加が出る条件と、その場合の上限
  • 閉眼供養の手配を含むのか、こちらで寺に頼むのか
  • 作業の日程と、区画を返す期日

現地を見ずに金額を出す業者

区画の広さ、墓石の大きさ、重機が入るかは現地で変わります。写真だけで確定額を出す業者には、何を前提にした金額かをたずねてください。

団体の加盟は何を示すか

全優石や日本石材産業協会への加盟は、その団体の基準を満たして入会していることを示します。工事の出来や金額を保証するものではありません。加盟の有無は判断材料のひとつとして見てください。

お墓のある都道府県から石材店を探す

墓じまいの工事は、お墓のある地域の石材店に頼むと現地確認と管理者とのやり取りが早く済みます。全優石・日本石材産業協会に加盟する1,109店を、都道府県ごとに並べています。

北海道

都道府県 掲載店 全優石 石材産業協会 多い市区町村
北海道 38店 6店 32店 札幌市9店・岩見沢市3店

東北

都道府県 掲載店 全優石 石材産業協会 多い市区町村
青森県 10店 3店 7店 弘前市2店・八戸市2店
岩手県 21店 7店 14店 盛岡市5店・花巻市3店
宮城県 17店 5店 12店 仙台市6店・岩沼市1店
秋田県 7店 1店 6店 大仙市3店・秋田市2店
山形県 8店 0店 8店 山形市4店・天童市2店
福島県 28店 4店 24店 喜多方市4店・伊達市4店

関東

都道府県 掲載店 全優石 石材産業協会 多い市区町村
茨城県 55店 1店 54店 桜川市37店・笠間市5店
栃木県 18店 2店 16店 宇都宮市7店・小山市2店
群馬県 17店 8店 9店 高崎市3店・前橋市2店
埼玉県 53店 6店 47店 さいたま市5店・川口市5店
千葉県 54店 12店 42店 松戸市13店・船橋市6店
東京都 109店 18店 91店 豊島区11店・府中市9店
神奈川県 32店 5店 27店 横浜市10店・川崎市5店

中部

都道府県 掲載店 全優石 石材産業協会 多い市区町村
新潟県 19店 1店 18店 新潟市6店・十日町市2店
富山県 13店 2店 11店 富山市5店・高岡市4店
石川県 15店 6店 9店 金沢市4店・小松市4店
福井県 9店 0店 9店 鯖江市2店・越前市2店
山梨県 12店 0店 12店 笛吹市4店・甲府市2店
長野県 18店 5店 13店 長野市6店・松本市2店
岐阜県 14店 2店 12店 大垣市4店・多治見市2店
静岡県 63店 10店 53店 静岡市16店・沼津市4店
愛知県 39店 2店 37店 岡崎市15店・名古屋市6店

近畿

都道府県 掲載店 全優石 石材産業協会 多い市区町村
三重県 17店 6店 11店 伊賀市4店・四日市2店
滋賀県 28店 2店 26店 東近江市5店・大津市5店
京都府 19店 1店 18店 京都市14店・福知山市1店
大阪府 48店 3店 45店 大阪市12店・堺市9店
兵庫県 29店 2店 27店 姫路市4店・洲本市3店
奈良県 22店 1店 21店 奈良市4店・橿原市3店
和歌山県 8店 0店 8店 和歌山市4店・橋本市1店

中国

都道府県 掲載店 全優石 石材産業協会 多い市区町村
鳥取県 16店 2店 14店 鳥取市6店・米子市2店
島根県 14店 1店 13店 安来市4店・松江市4店
岡山県 26店 4店 22店 倉敷市7店・笠岡市6店
広島県 23店 2店 21店 福山市8店・広島市3店
山口県 5店 0店 5店 山口市2店・下関市1店

四国

都道府県 掲載店 全優石 石材産業協会 多い市区町村
徳島県 17店 0店 17店 徳島市5店・美馬市2店
香川県 49店 2店 47店 高松市41店・三豊市3店
愛媛県 29店 1店 28店 松山市10店・今治市10店
高知県 10店 0店 10店 高岡郡佐川町2店・香美市2店

九州・沖縄

都道府県 掲載店 全優石 石材産業協会 多い市区町村
福岡県 13店 3店 10店 福岡市4店・久留米市2店
佐賀県 7店 1店 6店 佐賀市3店・唐津市2店
長崎県 20店 6店 14店 佐世保市3店・島原市3店
熊本県 11店 1店 10店 熊本市6店・天草市1店
大分県 4店 2店 2店 大分市3店・由布市1店
宮崎県 10店 1店 9店 日南市3店・延岡市2店
鹿児島県 11店 1店 10店 鹿児島市8店・薩摩川内市2店
沖縄県 4店 1店 3店 うるま市1店・中頭郡西原町1店

この記事に出てくることば

  • 改葬:遺骨を別の場所へ移すこと。市区町村長の許可が要る。
  • 改葬許可証:市区町村が出す書類。納骨するときに移す先へ渡す。
  • 埋蔵証明書:いまの墓地の管理者が出す、遺骨がそこにある証明。
  • 受入証明書:移す先が出す、受け入れる証明。
  • 閉眼供養:墓石から魂を抜くとされる法要。魂抜き・お性根抜きとも。
  • 離檀:檀家をやめること。離檀料は法律上の費用ではない。
  • 祭祀承継者:お墓や仏壇を引き継ぐ人。民法で決まり方が定められている。
  • 無縁墳墓:縁故者が分からなくなったお墓。官報公告と1年の期間を経て改葬される。

あわせて読む

次にやること

  1. お墓の名義人と、だれが決めるのかをはっきりさせる
  2. 遺骨を移す先を決めて、受入証明書をもらう
  3. 寺・霊園に伝え、埋蔵証明書をもらう
  4. 石材店を2〜3社えらび、同じ条件で見積もりを取る
  5. 市区町村に改葬許可を申請する

都道府県から石材店を探す

この記事のデータについて

掲載している石材店の数は、全優石(全国優良石材店の会)と日本石材産業協会が公開している一覧を数えたものです。費用の相場や店の評価は持っていないため、掲載していません。手続きの内容は墓地、埋葬等に関する法律および特定商取引法にもとづいています。実際の申請先や必要書類は市区町村で異なることがあるため、窓口でご確認ください。